はじめに(ご挨拶)

「ごめんなさいね、私ハッキリものを言いますので」

目の前に座っているのは相談に来た若い大家さんです。親御さんから仕事を引き継いで、これから大家さんとしてやっていこう、という女性でしょうか。身を縮めて、次に何を言われるのか、少しこわそうに私がしゃべるのを待っています。

ここ数年、私は月に何回か、アパート経営の講演をするようになりました。各地で老若男女、さまざまな大家さんと出会い、こうして、相談を受ける機会も増えたんです。
でもね、私は机上派なんかじゃありませんよ。
「勉強はどこでしたんですか?」なんて聞かれても困ります。
「そんなもんしないよ。現場だよ」 それが私の答えなんですから。

私のは理屈じゃないかもしれませんね。でも、ノウハウは誰にも負けませんよ。
それは、自分のところの物件200室、お預かりしている100室を管理しながら、アパート経営にふりかかってくる問題を一つひとつ解決することで、積み重ねてきたものなんですからね。

そんなノウハウを元に、私は彼女のように相談事を抱えた大家さんに親身になってお答えしています。家賃滞納の対処方法から、大手メーカーさんの「アパートを建てませんか」というお誘いを受けるかどうか。

それから、ほとんどすべての大家さんが口にする悩み。それが、この本のテーマである、空室にどうやってお客さまをつけるか、という問題なんです。

悩みを抱えた方を前にして、私の話し方はけっこうぶっきらぼうに聞こえるみたいですね。大きな旅行鞄を転がして、埼玉までわざわざ相談にやってきた方を前にしながら、どうしてもお説教っぽくなってしまうのはどうしたことでしょう。

でも、理由は簡単なんです。やることをやってない、そんなのは相談のうちに入らない、ってことがあまりにも多いからなんです。
もちろん話を聞こうと思ってやって来てくれたわけなんですから、真面目なんですよ。そんな姿勢をお持ちの方ですから、耳に痛いことを、言うべきことをハッキリ言うのが私の役目だと思うんです。

そんな気持ちでこの本を書きました。皆様の耳に痛いことも遠慮なく書かしてもらいました。空室のある大家にはぜひ読んで頂きたい。今満室の大家さんも満室と言うことは、必ず次は空室になると言うことです。
その時の参考の為にもぜひ、読んで頂きたいです。

今回の本は大家業は一生勉強、一生現役をつづけていくための大家さんへの応援の為(私の為)に書きました。